昇 段 ・ 昇 級 試 験 審 査 課 題
<勝 弘 会 専 用 審 査 課 題>

<約 束 組 手>

説明文中の用語
上手(かみて)・・演武者が正面を見て左手
下手(しもて)・・演武者が正面を見て右手
(客席(道場正面)から見て右が上手 左が下手)
演武者が次はどこを向くのか どちらへ動くのかを
古くから芸能界で使用している舞台用語を引用して記載しました
(演武場も舞台(ステージ)も登場人物の心構えは同じです)

★ 返一本組手 ★
(基本一本組手の姉妹組手)
鍛錬組手によって鍛え上げた技と基本一本組手によって体得した技と
その過程でつかんだ「勘」とをあわせ相手の一瞬の動きに合わせて敏速に捌く
五本組手・三本組手・基本一本組手の攻撃者は
自然体から一歩引きの前屈立下段払からの攻撃でしたが
返一本組手は双方 正面自然体八字立 から直接攻撃
           「攻撃者」 は相手に攻撃目標を(例えば上段又は中段)伝える
                 (右拳でも左拳でも逆突でも上段又は中段であれば攻撃は自由)
                 蹴技の場合は攻撃技を(例えば回し蹴り・前蹴り)相手に伝える
           「防御者」 は基本一本のように正し立ち方で正確に受けて
                 相手の状態に応じ蹴りでも突きでも一歩前進で反撃に移る
                 (今まで習った約束組手のように受けた位置での反撃ではない)
           「攻撃者」 は後方または側方に捌きながら受け反撃後自由体勢残心構

(例)  双方 正面自然体八字立
攻 撃 者
防 御 者
攻 撃 者
中段順突
(後進)下段払 → (前進)上段順突
上段背腕流受 → 中段順突 → 残心構
横蹴込
外受 → 上段回蹴
縦手刀受 → 中段逆突 → 残心構
中段順突
手刀受 → 前蹴
掬受 → 中段逆突 → 残心構
前蹴
(後進)下段払 → (前進)上段順突
外受 → 上段刻回蹴 → 残心構
上段順突
上段逆揚受 → 上段回蹴
縦手刀受 → 後回蹴 → 残心構
上段順突
上段揚受 → 上段回蹴
縦手刀受 → 中段逆突 → 残心構
中段逆突
外受 → 中段横蹴込
下段払 → 上段刻突 → 残心構
詳しくは直接道場にてお聞き下さい


★ 送自由一本組手 ★
第一攻撃は自由一本組手と同じですが
第二攻撃は攻撃目標攻撃方法は定めず自由に攻撃をします
防御者は第一攻撃の反撃後自由体勢で次の攻撃を待ちます
送自由一本組手は双方 自由構 から開始します
           「攻撃者」 は相手に攻撃目標と技を伝える
                 (相手の隙を伺い攻撃をする 牽制も可)
           「防御者」 は牽制か本攻撃かを見極め一発目は自由一本と同じように
                 八方いずれかに捌きながら受け反撃をする
           「攻撃者」 は一発目の防御者の反撃後防御者の位置・距離を考慮
                 二発目の自由攻撃を思い切りよく繰り出す
           「防御者」 は二発目の拳・蹴を寸時に見極め一気に捌きながら決め
                 又受け・反撃をし 自由構(残心構)の体勢に戻る

(例)  双方 自由構
     
攻 撃 者
防 御 者
第一攻撃
上段順突
流受(同時)中段裏突 → (突き離し右足捌き) → 残心構
 
第二攻撃
後蹴込
背手背腕受 → 上段回蹴 → 残心構
第一攻撃
中段順突
上段刻突(右足外側に捌く) → 残心構
 
第二攻撃
裏拳打
背手受 → 中段前蹴 → 残心構
第一攻撃
中段順突
青竜刀下段逆受(左足後退) → 上段突 → 残心構
 
第二攻撃
回蹴
体捌き → 刻回蹴 → 残心構
第一攻撃
上段順突
縦手刀受(右足内側に捌く) → 中段逆突 → 残心構
 
第二攻撃
回蹴
背手背腕受(左足左後方に捌く) → 中段逆突 → 残心構 
第一攻撃
中段順突
外受 → 中段逆突 → 残心構
 
第二攻撃
回蹴
右背腕受(左足左後方に捌く) → 中段逆突 → 残心構
第一攻撃
前蹴
右下段払(左足後方に捌) → 中段逆突 → 残心構
 
第二攻撃
横蹴込
左背腕受(右足右後方に捌く) → 中段逆突 → 残心構
第一攻撃
上段順突
(左足半歩後方に捌きながら)上段横受・横蹴 → 中段逆突 → 残心構
 
第二攻撃
左中段逆突
下段払・刻回蹴 → 残心構
詳しくは直接道場にてお聞き下さい


★ 八 方 組 手 ★
組手形と同様、応用組手です
鍛錬組手・基本組手・約束自由組手は一対一で行われますが
八方組手は字のごとく八方に相手を置き
その相手が各自自由攻撃を仕掛けます
それを防御者が自由に捌き・受け・反撃で決めます
八方の敵を相手に長時間闘いますので
タイミング・バランス・息抜き・集中力等々心身の調整力に
敏捷性・持久性と転身・体捌を最も必要とする理想的組手です
対戦の相手の数・レベル等にもよりますが
50秒から2分ぐらいが理想のワンクールです
           「防御者」 は自分の自然体の足幅を半径とした円の中心に自由な構えで立つ
           「攻撃者」 は2メートル位の間合で八方に位置し攻撃態勢をとる
                 (攻撃人数により四方・三方・・・)
                 攻撃順は自由ですが攻撃目標又は攻撃技を宣告し攻撃開始
                 攻撃終了後直ちにもとの位置に戻る
                 (一度に一名の攻撃が原則)
                 防御者の反撃技の決めと同時に次々と休み無く攻撃する
           「防御者」 は自己の自然体足幅を半径の円の中に必ず片足があるように努め
                 一方に追い詰められないように注意し相手の位置と間合と技を
                 的確に判断転身・体捌と同時に受けて反撃で決め
                 直ちに自然体八方構で次の攻撃者を待ち受けます

(攻撃者3名3周の例)  双方 自由な構
 
攻 撃 者
防 御 者
攻撃者 A(上手)
中段順突
外受 → 中段逆突 → 残心構
攻撃者 B(正面)
横蹴込
合青竜刀受 → 縦突 → 残心構
攻撃者 C(下手)
上段順突
上段揚受 → 刻回蹴 → 中段逆突 → 残心構
攻撃者 A(上手)
前蹴
下段払 → 上段順突 → 残心構
攻撃者 B(正面)
中段順突
後蹴 → 残心構
攻撃者 C(下手)
上段順突
縦手刀受 → 中段逆突 → 残心構
攻撃者 A(上手)
上段順突
上段掴受・回蹴 → 残心構
攻撃者 B(正面)
上段回蹴
背腕受 → 中段逆突 → 残心構
攻撃者 C(下手)
上段順突
上段掴受・刻回蹴 → 残心構
詳しくは直接道場にてお聞き下さい


<組手の種別>